Aさん(60歳)は同じ年の友人が急死して奥さんと子ども達が遺産相続で揉めていると聞きました。自分の家族はどうだろうかと考え、元気なうちから揉めない対策をしておきたいと思いました。「自宅と株は妻に、預貯金は子ども3人に分け、特に長男には結婚で家の新築資金をかなり贈与したので、次男・三男に多めに渡すことで、今後も仲良く暮らしてくれることを望む」と便せんに書いて、弁護士に相談してみました。
弁護士はAさんの便せんを見て、そのままでは法律上有効な遺言の形式になっていないことや、歳と共に物の管理はずさんになっていくので、直筆で作成する遺言書(自筆証書遺言)はせっかく作ってもいざという時に発見されない恐れがあること、現在の内容では記載があいまいなので遺産分割で争いになる可能性があることを指摘しました。
そこで、Aさんは弁護士に依頼して公正証書遺言を作ることにしました。もし、自分より先に妻が亡くなった場合や、預貯金が減って3人の子どもの受取額のバランスが悪くなった場合も不公平にならないように、記載内容を工夫してもらいました。Aさんは健康管理に気をつけてあと30年は生きるつもりですが、その間に家族に大きな変化があれば、再び公証役場で遺言を書き直せます。そして、子ども達に公証役場に遺言があると伝えておけば、遺言内容を生前に知られることなく、死後に近くの公証役場でコンピューター検索してもらえると知って、Aさんはとても安心しました。


