ご主人を病気で亡くしたDさん(75歳)は、有料老人ホームに入居しました。転んで骨折をしたのをきっかけに、杖をついて歩くのがやっとです。また、誰とも話さず、ぼんやりし、そのうち、意味の分からないことを言うようになりました。子どもさんとホームの職員を間違えるなど、認知症の症状もすすみました。
そうする内に、ただ一人の弟が亡くなり、Dさんが弟の財産を相続することになりました。しかし、弟さんには多額の借金があり、このままではDさんが、借金を相続することになってしまいます。
心配した、ホームや子どもさんが弁護士に相談をしました。弁護士は、Dさんに、相続放棄をすれば借金を抱えなくてもすむことを説明しましたが、Dさんは理解ができないようです。ホームの顧問医師に相談をしたところ、Dさんの認知症が相当進み、財産管理を一人ですることができないという意見でした。
そこで、子どもさんが弁護士に相談して、成年後見の申立を家庭裁判所にして、子どもさんが成年後見人に選任されました。そして、子どもさんが、Dさんの成年後見人として相続放棄の手続をして、Dさんの財産や老人ホームとの契約等についても管理するようになりました。
Dさんは、財産問題や法律上の紛争の処理は成年後見人である子どもさんに任せるようになり、安心して生活ができるようになりました。
Dさんのように自分の問題を自分で処理することが難しくなった場合には、放っておくと大変なことになることもあります。心配なことがあれば、まずは弁護士に相談することをおすすめします。


