介護の為とはいえ家庭の中に第三者を入れるということは、相当、心理的な抵抗感があるのかも知れません。特に、女性の場合、自分自身で家事を切り盛りしてこられた方が多く、家事における細かい流儀の違い、金銭を他人に託すことへの不安、相性などが心理的な壁になっているように感じています。「ヘルパーを入れてみたら、お金がなくなった。」とか「物を盗られた。」という話も、その全てが事実であるのかどうかは分かりませんが、そういった噂・体験談のために色眼鏡になってしまうこともあるでしょう。
後見人として金銭管理をしていますと、どうしても小銭をヘルパーに預ける必要が出てきます。その場合、ご自宅でも手提金庫のようなものを用意して、出納帳、残金、出金に対応するレシート・領収書を入れてもらい、定期的に自宅に行って内容をチェックするようにしています。施設の場合、後見人は施設が預かる小口現金を出納報告書とレシートなどで確認しながらチェックします。どうして必要なのか理解できない出金やいつになく大量の商品購入があった時なども、施設などに事情を問い合わせします。
実際に問題のあるヘルパー等によってお金を盗まれるという被害もないとは言いませんが、少なくとも私が管理しているケースで、出納帳などの間に齟齬が生じることはほとんどありませんでした。第三者である後見人が入るケースでは、ヘルパー・施設側も、チェックを担う後見人側も緊張感を以て望みますので、そうした問題の発生が結果的に抑止されるのかもしれません。逆に、高齢者が自力で頑張ろうとしすぎて、優しい顔をした見知らぬ人にいつの間にか高額な資産を盗まれたなどというケースもありました。老夫婦だけで頑張りすぎて、しっかり者の妻が急逝してしまい残された夫の生活を支えようとしても情報が乏しく支援が後手に回るという経験もあります。
後見人制度を利用するかどうかはさておくとしても、地域包括などの公的な機関を含め、複数の第三者の目でチェックできる態勢は、高齢者の生活の安全を確保する上で、とても大切なことだと思います。


