ホームロイヤー
おひきうけ例
おひきうけ例

以下では、様々な事例をご紹介します

財産管理・任意後見

  • 老後の不安を少しでも取り除くために

     65歳で会社を退職したAさんは単身者。ご両親は亡くなっています。遠方にいるお兄さんは既に亡くなっており、その妻(義姉)や子(甥姪)とはほとんど交流がありません。Aさんにはこれまでに蓄えた資産がそれなりにあります。今は元気ですが、老後に頼るべき人がおらず心配だと相談に来られました。

     ポイントは二つあります。

     第一に、将来、認知機能が低下するなどして、自分で財産管理することができなくなった場合にどうするか。

     第二に、万一、亡くなった場合に遺産をどうするのか。

     何度も相談を重ねた結果、第一の点については、弁護士が任意後見人予定者となる任意後見契約公正証書を作成しました。

     任意後見契約とは、元気なうちに、将来判断能力が衰えた場合に備え、後見人になる人(任意後見人)を予め指定する契約です。将来、裁判所が任意後見監督人をつけることが条件となりますが、法定後見と違い、任意後見人を自らの意思で決めることができるのがメリットです。

     第二の点については、一部を甥姪に渡し、残りは活動の趣旨に賛同する団体に寄付する内容の公正証書遺言を作成しました。

     これにより、Aさんは少しほっとされたようでした。

  • 視力障害で財産管理が難しい方への支援

     Bさん(65歳男性)は、糖尿病の影響で視力が低下し、足の切断をしなければなりませんでした。頭はしっかりしているのですが、生活費の出金や年金その他の収入の管理をしなければなりません。自分で銀行に行ったりすることも大変になってきたので、財産管理契約を締結しました。依頼を受けた弁護士は、Bさんの代わりに銀行手続を代行し、Bさんが生活するのに必要なお金を出金して届けたり、ヘルパーへの支払など生活するのに必要な支払の漏れがでないよう対応しました。定期的にBさんにお会いして希望を聞き取りながら、Bさんが入院した時には必要な保険金請求の手続を代行するなどもしています。

  • 遠方の息子に迷惑を掛けたくないから

     Cさん(70歳女性)は、年相応の物忘れこそあれ元気に生活していました。子どもは居ましたが遠方で生活していて、自分のことで迷惑を掛けたくなかったCさんは、任意後見契約を締結することにしました。

     Cさんの場合、定期的に状況を確認できる方もいませんでしたので、弁護士は、任意後見契約の際にあわせて「見守り契約」を締結し、定期的にCさん宅を訪問してCさんが困り事を抱えていないかお伺いすることにしました。

     弁護士はCさんから「届いた書類の意味が分からない」と言われれば相談に乗ったり、Cさんが悪徳商法に騙されそうになったら注意を喚起したりして見守りを続けてきましたが、数年後、自宅の様子も荒れてきて、物を頻繁に紛失するなどし始めました。そこで、弁護士はCさんと相談して任意後見契約を発効させることにしました。

    家庭裁判所で任意後見監督人が選任され、弁護士はCさんの任意後見人としてCさんの資産管理をし、Cさんのために必要な介護契約を締結したりして、Cさんの生活を支える作業を開始しました。弁護士は、Cさんの生き方や人生観などに触れながら見守りをしてきましたので、認知機能が落ちてはいるもののCさんの意向をくみ取りながら、任意後見契約が発行した後もサポートを進めています。そして、弁護士は、Cさんと最初に交わした契約書どおり、任意後見監督人に対し定期的にどのような財産処分をしているかなどを報告し、その監督を受けています。

成年後見制度

  • 後見人で「お一人様」でもお看取りから葬儀、相続財産管理人選任まで

      Cさん(90歳女性)は、一人暮らしで、夫や子はおらず、両親は亡くなり、兄弟姉妹もおらず、法定相続人がいない状況でした。遠い親戚とは年賀状のやり取りだけで、数十年会っていないようでした。認知症が進んでもCさん自身は気付いておられず、家に物があふれて食事もあまりしていない生活が心配で、近所の方が地域包括支援センターに相談され、介護保険を利用できるようになりました。しかし、Cさんは複数の銀行口座がわからなくなり、財産が少ないと思い込んで、介護サービスを断られるので、財産管理について弁護士に相談がありました。

      そこで、成年後見の申立をして弁護士が成年後見人となり、財産調査をすると、不動産や株や銀行預金など多額の財産があることが判明しました。Cさんとケアマネージャーと相談しながら、介護サービス契約をし、掃除のためのヘルパーに入ってもらったり、火災の危険が少ない暖房器具に買い換えたり緊急連絡がしやすい通信機などを準備してCさんの生活を少しずつ整えました。

      今後もケアマネージャーと密に連絡をとって、Cさんの意思を尊重しながら生活を見守り、将来的には入院や有料老人ホーム入居などの契約なども行います。そして、亡くなられた時には、死亡届やCさんにふさわしい葬儀等を行った上、相続人が不存在として最終的に遺産が国庫へ入るよう、家庭裁判所に相続財産管理人選任の申立までする予定です。

  • 早めに第三者の目を入れておかないと・・・

    介護の為とはいえ家庭の中に第三者を入れるということは、相当、心理的な抵抗感があるのかも知れません。特に、女性の場合、自分自身で家事を切り盛りしてこられた方が多く、家事における細かい流儀の違い、金銭を他人に託すことへの不安、相性などが心理的な壁になっているように感じています。「ヘルパーを入れてみたら、お金がなくなった。」とか「物を盗られた。」という話も、その全てが事実であるのかどうかは分かりませんが、そういった噂・体験談のために色眼鏡になってしまうこともあるでしょう。
     後見人として金銭管理をしていますと、どうしても小銭をヘルパーに預ける必要が出てきます。その場合、ご自宅でも手提金庫のようなものを用意して、出納帳、残金、出金に対応するレシート・領収書を入れてもらい、定期的に自宅に行って内容をチェックするようにしています。施設の場合、後見人は施設が預かる小口現金を出納報告書とレシートなどで確認しながらチェックします。どうして必要なのか理解できない出金やいつになく大量の商品購入があった時なども、施設などに事情を問い合わせします。
     実際に問題のあるヘルパー等によってお金を盗まれるという被害もないとは言いませんが、少なくとも私が管理しているケースで、出納帳などの間に齟齬が生じることはほとんどありませんでした。第三者である後見人が入るケースでは、ヘルパー・施設側も、チェックを担う後見人側も緊張感を以て望みますので、そうした問題の発生が結果的に抑止されるのかもしれません。逆に、高齢者が自力で頑張ろうとしすぎて、優しい顔をした見知らぬ人にいつの間にか高額な資産を盗まれたなどというケースもありました。老夫婦だけで頑張りすぎて、しっかり者の妻が急逝してしまい残された夫の生活を支えようとしても情報が乏しく支援が後手に回るという経験もあります。
     後見人制度を利用するかどうかはさておくとしても、地域包括などの公的な機関を含め、複数の第三者の目でチェックできる態勢は、高齢者の生活の安全を確保する上で、とても大切なことだと思います。

  • 補助の申立で障害ある子の親亡き後をカバー

       Aさんには、結婚して家庭を築いている娘と、独身で軽い知的障害のある息子がおられます。息子はその知的障害のゆえに、欲しいものを我慢できず万引きをしてしまったり、手持ちのお金をあるだけ使ってしまったりと、一人で生活管理ができませんでした。これまではAさんが、息子の世話やお金の管理や不始末の後片付けなどをしてきましたが、Aさんも80歳を過ぎたので、もし自分が亡くなったら、この息子の生活管理は誰がするのだろうか、と不安に思っていました。娘は息子が生まれたときから今まで、息子のためにいろいろ世話をしてくれましたが、Aさん亡き後も、娘に息子を託すのは、娘にとってあまりに酷だと思っていました。
     そこで、Aさんは、弁護士に相談し、息子について成年後見制度のうちの最も程度の軽い補助の申立をし、息子に補助人として精神保健福祉士の資格のある方を選任してもらいました。精神保健福祉士ならば息子の知的障害とそこからくる行動の特性や対応の仕方もわかるので、息子のよきアドバイザーとなるだけでなく、補助人として、息子がだまされたり、軽率ゆえに締結してしまった契約を取り消すこともできます。
     Aさんはまだ元気ですが、息子のことを安心して託せる補助人ができたので、老後の暮らしが少し気楽になりました。

  • 後見人選任で、借金の相続を回避、生活の安定を図る

     ご主人を病気で亡くしたDさん(75歳)は、有料老人ホームに入居しました。転んで骨折をしたのをきっかけに、杖をついて歩くのがやっとです。また、誰とも話さず、ぼんやりし、そのうち、意味の分からないことを言うようになりました。子どもさんとホームの職員を間違えるなど、認知症の症状もすすみました。

    そうする内に、ただ一人の弟が亡くなり、Dさんが弟の財産を相続することになりました。しかし、弟さんには多額の借金があり、このままではDさんが、借金を相続することになってしまいます。

     心配した、ホームや子どもさんが弁護士に相談をしました。弁護士は、Dさんに、相続放棄をすれば借金を抱えなくてもすむことを説明しましたが、Dさんは理解ができないようです。ホームの顧問医師に相談をしたところ、Dさんの認知症が相当進み、財産管理を一人ですることができないという意見でした。

    そこで、子どもさんが弁護士に相談して、成年後見の申立を家庭裁判所にして、子どもさんが成年後見人に選任されました。そして、子どもさんが、Dさんの成年後見人として相続放棄の手続をして、Dさんの財産や老人ホームとの契約等についても管理するようになりました。

     Dさんは、財産問題や法律上の紛争の処理は成年後見人である子どもさんに任せるようになり、安心して生活ができるようになりました。

     Dさんのように自分の問題を自分で処理することが難しくなった場合には、放っておくと大変なことになることもあります。心配なことがあれば、まずは弁護士に相談することをおすすめします。

死後の事務処理

  • 親族が疎遠で死後の事務をお願いできない

     Aさん(76歳女性)は、未婚で一人暮らしを長年続けていました。退職後も、地域のお付き合いや趣味に元気にしていましたが、急に進行性のガンが見つかり入院となり、医師からは余命は長くないと告知されました。今後は在宅医療を使って自宅で最期を迎える準備をすることとしました。

     兄弟は先立たれ、遠方に甥がいるだけなので、迷惑をかけたくないと考えたAさんは、在宅医療を担当する訪問看護師さんの紹介で、当事務所の弁護士の出張相談を利用し、亡くなった時の様々な処理にどんなことを用意すべきかを相談いただきました。その結果、死後事務処理の委任契約を結んでいただき、弁護士が、市営住宅の明け渡し、家財道具の処理、市役所や年金事務所等の各種手続、火葬から納骨までの段取りについて任せていただくことになりました。また、残された財産については、特に遺言は定めず、そのまま相続人になる甥御さんに相続していただくことにしました。

     Aさんは、その後も意識ははっきりとしたまま、医師の見込みよりもずっと長生きをされましたが、その間に詳しく打ち合わせをした内容にしたがい、息を引き取られた後、弁護士が各種手続きを行い(死亡届だけは甥御さんの名前でしました)、決められたお墓に納骨をし、甥御さんに引継ぎを済ませました。

遺 言

  • 遺言内容に問題ないかチェック、修正して公正証書遺言へ

     Aさん(60歳)は同じ年の友人が急死して奥さんと子ども達が遺産相続で揉めていると聞きました。自分の家族はどうだろうかと考え、元気なうちから揉めない対策をしておきたいと思いました。「自宅と株は妻に、預貯金は子ども3人に分け、特に長男には結婚で家の新築資金をかなり贈与したので、次男・三男に多めに渡すことで、今後も仲良く暮らしてくれることを望む」と便せんに書いて、弁護士に相談してみました。

     弁護士はAさんの便せんを見て、そのままでは法律上有効な遺言の形式になっていないことや、歳と共に物の管理はずさんになっていくので、直筆で作成する遺言書(自筆証書遺言)はせっかく作ってもいざという時に発見されない恐れがあること、現在の内容では記載があいまいなので遺産分割で争いになる可能性があることを指摘しました。

     そこで、Aさんは弁護士に依頼して公正証書遺言を作ることにしました。もし、自分より先に妻が亡くなった場合や、預貯金が減って3人の子どもの受取額のバランスが悪くなった場合も不公平にならないように、記載内容を工夫してもらいました。Aさんは健康管理に気をつけてあと30年は生きるつもりですが、その間に家族に大きな変化があれば、再び公証役場で遺言を書き直せます。そして、子ども達に公証役場に遺言があると伝えておけば、遺言内容を生前に知られることなく、死後に近くの公証役場でコンピューター検索してもらえると知って、Aさんはとても安心しました。

  • 子どものいない夫婦にとってどちらが先に逝っても安心な遺言書の作成

     AさんとBさんは長年連れ添った夫婦です。二人とも70歳を迎え、そろそろ相続について、気になるようになりました。お二人には、子どもさんがおられず、それぞれの両親も既に亡くなりましたが、ご兄弟が居ました。そこで、どちらかが亡くなった場合に、相続の手続が面倒になるのが心配で、弁護士に相談をされました。ご夫婦の希望としては、それぞれの遺産は、長年連れ添った連れ合いにすべて相続させたいと言うことでした。

     この希望を実現するため、弁護士は遺言書を作るようにアドバイスしました。「すべての財産を妻であるBに相続させる」「すべての財産を夫であるAに相続させる」という内容の遺言書を作れば、それぞれのご兄弟の同意がなくても、夫あるいは妻がすべての財産を相続できることになります。

     そこで、Aさん、Bさんご夫婦は、それぞれ弁護士のアドバイスに従って、前記内容の公正証書遺言を作成しました。もっとも、どちらが先に亡くなるか分かりません。そこで、先に配偶者が亡くなっていた場合には遺産をどうして欲しいかについても弁護士としてお二人から意見を聞き取り、遺言書の内容に追加することにしました。

     この結果、Aさん、Bさんは、将来どちらが先に逝くことになっても、夫婦で築いた財産を引き継げることになりましたし、最後に残されることになっても、自分達夫婦で築いた財産を希望する方に引き継げるようにすることができました。

    なお、既にご高齢だったご夫婦は、実際に配偶者が亡くなったとき、遺言書のとおりに名義を換えたりする作業ができるか自信がありませんでした。このため、敢えて遺言書の中で遺言執行者として弁護士を指定させて頂きましたので、Aさん、Bさんは、とりあえず配偶者が亡くなれば、弁護士に連絡さえすれば指定したとおりに財産を移転できることを知り、安心されたようです。

     遺言書は、何度でも作り直すことができますので、思いついたときに作成することが大切です。「そのうちに」ということでおいておくと「そのまま」になります。まずは、弁護士にご相談をされてはいかがでしょうか。

トップへ

ページトップへ